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ツナギ選びの参考に

(クシタニからのメール)


我々スタッフが(株)クシタニに革ツナギについてうかがった内容を公開いたします。
特に特注ツナギでは無く、一般市販品(いわゆる吊るし状態の物)の事を伺っております。

皆様のツナギ選びの参考になればと思います。

(公開許可承諾は得て有ります)


安全なツナギ選びの参考に

情報提供、協力:(株)クシタニ


【レーシングスーツ(革ツナギ)の選択基準について】

 革ツナギについて何を第一の基準に選択すべきか?というのは安全性である事に間違いはないでしょう。2番目、3番目となってきますと運動性、機能性、重量、デザイン、好みの問題などいろいろとあります。
 選択基準の第一が安全性と言ってもその安全性の基準て何だ?と言う事になると思います。確かにMFJ公認マークがひとつの目安になります。一般の方にとってはある意味、いちばんわかりやすい基準かもしれません。しかし、公認スーツと言われるものであっても、一定の基準や条件がクリアーされていれば公認されるのであって、最終的にはメーカー対応にて、任されている部分も残りますのでメーカーのモラルや責任も問われるでしょう。

 そんなこともありまして、真の安全とは「メーカーが作り出すもの」だと思っております。弊社の革ツナギにおける安全性の基準はやはり革質から始まります。革質とは革の引裂き強度、磨耗強度、摩擦計数、厚み、しなやかさ、吸水性、カラー、重さなどが対象になりますが安全性という視点からは、引裂き強度、磨耗強度が重要でしょう。革以外では衝撃吸収材や革とコンビで使用する異素材、細かい事を言えば縫製糸の強度などが対象になります。革は厚くて硬くなれば強度がありそうに見えますが見た目では決してありません。見た目でわからないと言う事はやはり、データ(数値)管理をしているかどうかが決め手になります。

 レースの世界では速く走る事が求められます。その為、安全性を大前提に機能性、運動性、重量などの優先順位がライダーによって入れ替わる事があります。時として安全性の優先順位が危うくなる場合などはメーカーよりアドバイスします。楽しむ事を重点に置かれるのであれば、ご承知の通り、とにもかくにも安全性を追求したものを選択する事に疑問の余地は無いでしょう。

 弊社の製品については、吊るしの、いわゆる既製品と言われる製品もGPライダーのものも基本的にはなんら違いはございません。最近は特注品の注文も昔より減っておりまして、メーカーとして提案する品質そのものが受け入れられる傾向になっています。デザインやカラーについてはいろいろありますが安全性を形成する革質や装備は既製品で用意しているメーカー提案のものから外れた注文はほとんど無くなりました。特に革質についてはツナギ用として統一されていますし、それ以外の革を要求されるような事があっても説明して、ツナギ用のものを使用してもらっております。言うまでも無く安全性の為です。
 具体的なポイントとなりますとやはりMFJ基準とリンクしてきます。転倒時にダメージを受けやすい箇所、肩、肘、腰、膝、脊椎に革の二重当てや衝撃吸収材が施されているかどうかは最低限の重要なポイントだと思います。通常、MFJ公認スーツならばそれらの内容はクリアーされているはずです。
 革質などは製品だけを見てもなかなか判断しにくいかもしれません。強度計数がデータなどで管理されていれば別ですが、店頭でそこまでの数値は表示しておりませんし1メーカーのものがわかっても、各メーカーデータが揃わなければ比較のしようがありません。抽象的になりますがやはりそのメーカーの姿勢が大切だと思います。とは言っても見た目や購入するショップスタッフに頼らざるをえないのが現実ですが。

 基本的に注意すべき点はデザインや見た目の質感なども大事ではありますが、それだけに迷わされる事無く、本来求めるべき安全性を念頭に置く事を忘れないでいただきたい、と言う事です。その上で、ご自身で納得して購入される事を望みます。購入時には、どうしてもデザインやサイズ設定、見た目などに思考が行ってしまいがちなので気を付けて下さい。

 最後に、革ツナギとは自分の身を守るものなのですから、価格も単純に高い、安いの判断が出来るものではないし、一種の保険みたいなもので、転倒したり事故を起こしてから初めて評価してもらえるところも多分にございます。メーカーとしてはやはり「安全」という2文字をお客様に提供するのが使命だと考えます。それが弊社の企業テーマであり永遠の課題でもあります。

 KUSHITANI企業テーマ   『安全の世界を創造します。』

                         
                             (株)クシタニ           
                              穗永 晴義           
                              2001.3.8           


以下、Q&Aの形となります。

ご質問の間に回答をいれます。

> 前回のミーティングにおいてツナギ着用でも、ツーリンググローブを使用した為?か?手首の骨折者がでてしまいました。

手首の骨折は転倒状況などにもよりますので、一概にツーリンググローブだから、と言えませんが当然レーシンググローブだったなら?という疑問は残ります。レーシンググローブの方がケガをしにくいのは事実です。

> 最近は風潮として?より快適により軽く?ってありますよね?
> 転倒に際して、グローブの重要性はツナギと同等にあると思うのですが・・・・・・・・

当然です。やはり転倒時、自分の体を防御しようと手を出しますから。
路面(地面)に接地するのが間違い無いのがグローブです。
それも予想以上に、過酷な状態で接地します。

> 私がお聞きした所、2〜3cm滑る事で大事には至らない事が多々あると昔クシタニ営業所からの情報を頂きました。
> でもリベットグローブ?は最近ではあまりありませんね?

おわかりの通り、リベットが付いているグローブのよいところは摩擦計数が減り、よく滑るところです。その反面、デメリットは熱を発生させるところです。
これが結構、熱いんです。契約ライダーの意見を思い出してみますと、リベットなだけによく滑るが転倒時、5mおきに一度手を路面から離さないと火傷するといった具合です。契約ライダーともなると転び方もA級なのでそのくらい判断できる余裕もあります。

これが極一般のライダーであれば当然スピードも違いますので状況は違いますが転倒時ずっと路面に手を付いていたら火傷する可能性が出てしまいます。
現在、弊社ではザイロンと言う素材を使用しています。これは東洋紡さんの素材で当初、スーツやグローブ、ブーツに使用する段階では共同開発をしたものです。これは摩耗強度、引裂き強度に非常に優れ、場合によっては革以上でしょう。これは断熱効果もあるのです。
そんな訳でこの様に新素材が開発され、仕様も変化して行くのです。

> それとサイズなんですが、昔の様にブカブカで走ってるレーサーの人達は雑誌でも見かけませんね?
> どのくらいの余裕が最低限必要なんでしょうか?
> ファッション性もある事とは思いますが、安全性とサイズもお聞かせ頂ければ幸いです。
> 合わせてグローブなどの事もお聞かせ下さい。

グローブの基本は握った状態で手が圧迫されない事です。
レース用はこの状態を保ちながらギリギリまでフィット感を追求するのが理想です。
フィット感といっても、きつ過ぎると手が疲れ、ゆる過ぎるとグローブが滑ったり、ブレーキレバーが引っ掛かり、微妙なアクセルワークが出来なくなったりします。

ツーリング用は、まず圧迫されない事を優先し、後はレバーなどに引っ掛からない、ブレーキ操作に影響の無い適度なフィット感があれば基本的には大丈夫です。ファッション性は一般的にはツーリングでは飽きの来ないオーソドックスなグローブが好まれます。レースには多少、はやりみたいなものがありますがそれはメーカーが作り出すようなところもあります。
弊社ではあくまでも安全性を追及した上でのデザインと言う形になりますので、この様な装備だからこういうデザインになった、と言う感じがあります。当然企画スタッフはデザインも考えていますが。

> それとインナースーツは絶対に必要なんでしょうか?
> 表皮と該して滑る化繊が増える事を期待しての事なんでしょうか?


インナースーツの基本的な目的は、革スーツの着やすさ、脱ぎやすさ、スーツ裏地との摩擦を減らす効果です。特に脱ぎやすさ、というかインナースーツを着てないとレース後、脱ぐのが、ものすごく大変です。
後は、着用時に革スーツの裏地との滑りをよくしますので動きやすくなりライディングが楽になります。絶対に必要と言う事はありませんが、革スーツの着用や動きに非常に効果的なので、一度着ると必要なものになります。

> ツナギは重要な物である事は間違い無い事実だと思います。
> もちろん付随するグローブ、ブーツもですね・・・・・・・


何度も申し上げますが基本は安全の為なんです。これだけはライダーの方に忘れていただきたくないですね。
確かに価格やデザインも大事ですが、製品を選ぶ時点で真の目的を念頭に置き製品を選んで下さい。メーカーはよいものを安く提供できるよう努力致します。

> <クシタニ>はレース関係の一部の人の物と考えていた事を間違いと改めて感じたQ&Aでもありました。
>
> これからは梅雨に向けての準備も必要にはなるでしょうが、今は春の通勤を楽しみにして行きたいと思っております。
>
> どんなバイクでも快適であれば、通勤と言う手段においても仕事に移る前の糧になります。
>
> いつまでも<クシタニ>と言う素晴らしいメーカーであって欲しいと願います。
> それがレースやツーリングだけでは無く、通勤族の為にも温かく見守って頂きたいと切に要望いたしております。
 

弊社は、モーターサイクルスポーツという趣味的な要素の強い世界のサポートとともにそのベースとなるモーターサイクルライフを楽しんでいる皆様のサポートを、幅広く展開する事を目指しております。
しいては、モーターサイクル文化の発展に貢献できれば幸いです。

バイクにはよいシーズンになりました。皆様に素敵なモーターサイクルライフを送って頂きたいと思います。

ありがとうございました。
今後とも、よろしくお願い致します。今後ともよろしくお願いします。

 KUSHITANI企業テーマ 『安全の世界を創造します。』  
                                       (株)クシタニ     
穂永 晴義     


ネットの情報は氾濫し過ぎており、曖昧な所も多く存在している事は紛れも無い事実ですね。
しかし、今回情報提供して下さったクシタニと言えば、昔から各方面で活躍しているプロライダーにも
絶賛されているツナギメーカーの老舗です。信頼性は120%と言っても過言では無いでしょう。

今回非常にためになるご教示をいただき、公開を快諾していただいたクシタニ様にここに感謝の意を表します。

スクーターのお部屋                
イワイインターネットミーティングスタッフ一同 


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