以下のコンテンツを元にキャブの改造やエアクリーナーボックス加工、キャブ換装する際はくれぐれも自己責任の上でお願いいたします。いかなるトラブルに対しても筆者は一切保証いたしかねます。なお、今回のキャブ換装にあたってはSkipperさんに色々とご教示戴きました。また、オイルジョイントをNAKAさんに譲って戴きました。ここに感謝の意を表します。<m(_ _)m>
ストリート仕様では、夜間に住宅地を走る事を考えると静かな仕様が望ましいと言えるでしょう。ツーリング用には出先での気候変化を考えるとパワーフィルターでなくエアクリボックス仕様が適しています。また、ランナーはリヤタイヤフェンダーがエアクリボックス上部でネジ止めされているので、エアクリボックスを取り去ると別途ステーを作成する等して支持してやる必要が出てきます。その上、パワーフィルター仕様ではキャブがエンジン側インテークマニホールドのみで支える事になる為、ステーを別途作成して支えないと振動によりずれたり、マニホールドの早期劣化を招きます。また、細かな粉塵の吸着率が落ちるとキャブからエンジン内部へ入ってエンジン寿命を縮める可能性も大です。
| - | 吸気音 | 吸気抵抗 | セッティング | 雨 | 温度変化 | 粉塵除去 | フェンダー用ステー |
| エアクリーナーBOX仕様 | 静か | 有 | 比較的容易 | 平気 | 強い | 良 | 必要なし |
| パワーフィルター仕様 | うるさい | 小 | シビア | 弱い | 弱い | 悪 | 別に用意する必要有 |
| 直キャブ/網仕様 | 凄くうるさい | 無 | 更にシビア | 駄目 | 崩れる | 皆無 |
と云う訳で、ノーマルエアクリーナーBOXを使用してのキャブ換装を考えてみます。
RunnerFX/FXRのノーマルキャブはDell'orto PHVB 20.5です。キャブ換装にはノーマルエアクリーナーBOX使用が前提だといくつかの選択肢が有ります。ケイヒンPWK28だとノーマルエアクリーナーBOXでは容量不足になるのでパワーフィルター等への変更が必要になります。マロッシからはDell'orto
PHBL 25を使用したキットが出ており、ボルトオンで取り付ける事が出来ます。
| メーカー | キャブ種類 | キャブの加工 | ジェット類の入手 | 備考 |
| Dell'orto | PHBL 25 | 無加工 | 限られる | MALOSSI 1611033 |
| KEIHIN | PE24 | 要 | 容易 | - |
| MIKUNI | FLAT24 | 要 | 容易 | - |
Dell'ortoキャブはセッティングが出し難いと聞いたのと、Joker90に取り付けていたBIGキャブキットのPE24が余っていて、SkipperさんからPE24は良いよと勧められたので、指導を受けつつPE24を付ける事にしました。なお、PE24はセッティング用のジェット類がPWK28と共通ですので、万が一後でPWK28に再換装する場合にジェットの使い廻しが出来るという利点も有ります。
ケイヒンはコンシューマ向けに直接小売りはしていません。新品のPE24キャブ本体を入手する為には、デイトナやキタコのBIGキャブキットの補修パーツとして売られている物を入手するのが一番容易でしょう。これはバイク用品店などで取り寄せが出来ます。型番は以下に示しておきます。スロットルバルブが#3の付いている物がお勧めです。(キタコはカタログに記載が有りませんのでお問い合わせ下さい)
| メーカー | 品名 | 型番 | 定価 | メインジェット | スロージェット | スロットルバルブ |
| デイトナ | KEIHIN PEキャブ本体 タイプ3 (PE24) | 34787 | \13,500 | #115 | #65 | #3 |
| デイトナ | KEIHIN PEキャブ本体 タイプ4 (PE24) | 34788 | \13,500 | #120 | #65 | #5 |
| キタコ | PE24キャブレター(NSR50/80用) | 401-1010008 | \11,000 | ? | ? | ? |
| キタコ | PE24キャブレター(RG50γ/ウルフ50用) | 401-2003008 | \11,000 | ? | ? | #4 |
ネットオークションや個人売買等で中古品を入手という手も有ります。この場合は値段次第でビッグキャブキットを入手するのも良いでしょう。但し、場合によりオーバーホールの必要やスロットルバルブを別途購入する必要が有るかもしれません。ニードルは摩耗している可能性が有るので新品交換した方が安心でしょう。
キャブレター本体に分離給油用のオイルジョイントと負圧用のニップルを取り付けます。オイルジョイントは国産のJOG用純正キャブの中古品等からバイスプライヤー等で外した逆止弁付きの物を用いると、内部がストレートの物に比べてオイル消費量を押さえる事が出来ます。負圧用のニップルは太ささえ合えば単なるパイプでも何でもかまいません。私は不要品のビッグキャブキットのマニホールドから取り出して使用しました。インテークチャンバー用の分売パーツを取り寄せる手も有ります。また、ラジコンエンジン用パーツで使える物が有るという情報も有ります。なお、逆止弁無しのオイルジョイントや負圧用に使えるニップルはNAP'S練馬店で単品販売を行っている様です。外形はストレートではなく、L字型でも支障は有りません。

上がJOG/AXISの純正キャブから外したオイルジョイント。下は負圧用ニップル(左側は少し外径を削って有ります。)
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内側 __ 外側
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左は負圧用、右の真ん中がオイル用に穴を開けた所です。


左:負圧ニップルを差し込んだ状態 右:オイルジョイントを差し込んだ状態

エンジン側からキャブ全体を見た状態

ノーマルの状態

加工し終わった状態
ランナーの場合は車体右側から作業すればそのまま外せます。慣れるまではメットイン底部を外した方が光線も入って見やすいでしょう。(ビス1本で外れます)


ノーマルのPHVBキャブ。右はメットイン底部から見た状態


左はオートチョークとキャブヒーターの配線カプラ。右はキャブ前後を外した所
キャブ下のネジを緩めてフロート室内のガソリンを出します。


左はトップを外した状態 右はスロットルバルブからワイヤー先端のタイコを押し出した状態
後は白いプラ製のプレートから外してやればケーブルは抜けます


左:スロットルバルブを外した状態。右:プレートとバネも取り去った状態


左:ノーマルキャブトップとワイヤーガイド 右:ワイヤーガイドとノーマルキャブ/PE24のトップ
移植の終わったワイヤーガイドとトップにスロットルケーブルを差し込んでやります。その後スプリングと白いプレートを通してからスロットルバルブ横の溝を通して底面の凹みにはめこみます。



左はケーブルをトップに通した所。真ん中と右はスロットルバルブに止めた状態


左は全閉状態。右は全開状態(両方ともキャブのエアクリーナー側から見た状態)


左:クリップをラジオペンチで止める 右:ステンレスバンド
最後にホースを止めていた留め具をもう一度ネジ止めしてキャブ換装は終了です。

エンジン始動前にホース類が確実にキッチリ止めて有るかどうか念の為にもう一度確認して下さい。


左:取り付けられたケイヒンPE24 右:上から見た所 アイドリング調整は黒いつまみのストップスクリューで行います。その左側のマイナスネジがエアスクリューです。



左:フロート室の蓋、中:奥がMJ、その手前がSJ 右:左がMJ、右がSJ それぞれ番手が刻印されています。


ジェット類の着脱にはJETドライバーが便利です。

参考までにPE24換装後のダイノジェットデータを掲載しておきます。図の青線がノーマルキャブ、緑線がPE24です。