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3WF(JOG90・AXIS90)エンジンの特徴

3KJエンジンとの違いなど


 JOG90、AXIS90に使用されている3WFエンジンですが、排気量以外にベースになった3KJエンジンとどこが異なるのでしょうか?ここではパーツリストや諸元を元に考えてみましょう。
まずはノーマル時のメーカー発表諸元を表にしておきます。3KJエンジンは色々な仕様が有りますが、ここではベースになったと思われる89年のモノを取り上げています。

諸元 3KJ 3WF
ボア・ストローク(mm) 40.0×39.2 50.0×42.0
排気量 49cc 82cc
圧縮比 7.2 6.0
最高出力 6.8PS/7000rpm 8.5PS/7000rpm
最大トルク 0.71kgm/6500rpm 0.89kgm/6500rpm
キャブレター Y14P Y16P
型番 3KJ1,2,3,6,8 3KJ5,7,B 3WF1,3VR1 3WF2〜,3VR2〜
1次減速比 48/13(3.692) 47/15(3.133)
2次減速比 38/11(3.454) 42/13(3.321) 30/11(2.727) 31/11(2.818)

こうして見てみると、圧縮比が下がり、減速比が変わっているのが判ります。50ccにおける60km/hの自主規制は原付2種では関係無い事から、3WFでは60km/h以上での走行を睨んで減速比が変わっているものと考えられます。

3KJと3WFで変わらない所、変わった所

 パーツリストを眺めていると、50と90とであまり変わらない所も有ります。JOG90、AXIS90共にエアクリーナケース、エレメント、インテークマニホールドは3KJ型番です。また、エンジンのマウント部分はJOG90のフレームが3KJ型番でJOG50(3KJ)と共通な事から、寸法的にも互換性が有ります。
 次に異なっている部分ですが、オイルポンプが3WFでは2系統となり、アクセルワイヤーを分岐させてアクセル開度によりオイル吐出量が増加する様になっています。また、強制空冷用のファンも少し厚みの増したものになり、エアシュラウドも大きくなっています。これらの事により、50ccから増加した熱量に対応した設計がなされているのが判ります。
 なお、駆動系側も随分違います。3WFエンジンでは熱だれを防ぐために外側から冷却のための風を導入しやすくしてあり、専用のエレメントまで備えます。クランクシャフトが3WFの方が太い為、プーリーボス、ワッシャ、ワンウェイクラッチに至るまでクランクシャフトのスプラインに接するパーツが異なります。
 リヤホイールも見た目は同じ様ですが、スプラインが違う別型番です。リヤブレーキは共通になります。

ボアアップ

50ccのノーマルシリンダーベースと比べ、3WFの方がより大きなボアに出来ます。これは元々の内径が違うのと、クランクのカウンターが50ccに比べて大きい為です。また、元々ストロークが長い為にボアを上げるとそれだけ排気量が上がりやすくなります。そして、オイルポンプも大きいのと、射出量の調整も可能なため、オイル管理が50ベースに比べてやりやすいと言えましょう。

駆動系

3WFエンジンはヤマハらしく各種のパーツが流用可能です。ノーマルでもクラッチ廻りなどは50と同じパーツを使用しています。ホンダHF05Eに比べるとパーツの自由度が大きいと言えましょう。

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